店長日記
コロナ禍で観光集客が難しい地方で今、考え行うべきこと
コロナウイルス蔓延が続いており、医療面はもちろん、経済状況も厳しさを増しております。
緊急事態宣言が、10都府県で3月7日までの予定で延長となってしまいました。発令都府県のみならず、全国的にも人の流れが制限され、経済活動も低下している状況です。
観光業が収益の柱、基幹産業となっている地域も多く、インバウンド客はもちろん、国内旅行客も来ない状況で苦しい地域も多くなっております。特に人口が少なく、観光頼みの地域は、本当に厳しい状況です。長期化しますと、さらに事業として成り立たなず、業態変更など変化が必要になります。
観光客を待っていても来ないため、ターゲットを変える、売り方を変えるなど、「変化」「工夫」は必然となります。
今冬は、イルミネーションイベント、観光関連施設での中止、縮小が多くございました。反面、地域おこし的要素のイルミネーションは例年よりも多く実施、ご採用いただいた状況です。
遠方の大型イルミネーションイベント、テーマパークなどへ出かけることを自粛し、「近場旅」「マイクロツーリズム」が提唱されたこともあり、また、GoTo商店街事業の影響もあったものと捉えております。
「消滅可能性都市」「極点社会」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。地方においては、首都圏など3大都市圏に大学進学で地方から若い世代が流失し、卒業後も地元に戻ることがなく都会で就職する人が多い状況が続いております。特に女性が戻らず出生率の低い東京に残ることが、地方人口減の大きな要因と言われています。
中高生など若い子供たちが、華やかな都会暮らしに憧れるのは当然です。
地方では、職業の選択肢が少なく、就きたい職種がなかったり、採用人数も少なくなりがちです。また、都会暮らしを続けたいという方も多いでしょう。
しかし、コロナ禍の現在、人口が多い地域は自ずと「密」となりやすい環境であり、企業の地方移転、移住者も増加傾向です。
地方にとっては、今が東京圏などへの極点社会となっている流れを変える大きな「チャンス」であるとも言えます。
地元出身の大学生が、東京の大学に苦労して入学したものの、憧れのキャンパスライフとはほど多く、リモート授業、アルバイトも限られてしまう状況が生まれています。
話はイルミネーションに飛びますが、
地域おこし、町おこし事業として イルミネーションを開催されるケースは、従来からございます。しかしながら、そもそも人が少ない地域で収益事業ではないため、予算の制約も多いケースが多く、結局「何のために行っているのか」 目的であったり、数値目標がなかったり、それを測定することがなかったりするケースが、残念ながら散見されます。
イルミネーションを行うと、すぐに地方から出て行った都会に住んでいる方が戻ってくるわけではございません。
イルミネーションを飾ったり、デザインを考えたり、地域に賑わいをどのように創出するのかを、先ほどの数値目標もしっかりと考えて、それを達成するためには何が必要か そういった取り組み、ノウハウづくりが、地域のコミュニティ創出、コミュニケーション能力、プロジェクト管理・実施スキルを養成することにもつながると考えております。
都会では感じずらい、人とのつながりを強く感じることが出来るのも、地方、田舎の良さでもあります。
小さいころから、古くから地域に伝承されるお祭りも、こういったことにつながります。それが「地方の魅力」です。ただ、こういった地域の文化伝承面においても、少子化、人口減少の影響があり、他の地域から人的支援をうけて行われるケースも増えている現状がございます。
短絡的で薄っぺらなものではなく、地方暮らしでの「衣食(職)住」の良さをしっかりと棚卸して整理整頓、わかりやすく発信することも大事な時期であると考えます。今のコロナ禍は、地方が盛り返す、流れを変えるチャンスであるといえます。
情報通信技術、ネットワークが整備された時代ですので、都会で暮らさなくてもビジネスも成り立つものも多くございます。
明けない夜は無く、しっかりと自分たちの地域が、他に負けないような魅力を創出、挑戦しつづけることが、観光頼みであった地域でも必ず将来に役立ちます。
移住者増やす取り組みだけでは、さほど人は増えません。地元から都会へ進学した若い世代が、また地域に戻ってくるような魅力ある地域社会をつくり、地方に人が増えること。これが、地方にとって非常に重要だと考えます。
- 2021.05.04
- 11:31
- 店長日記